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荼毘

実は先週、雲ひとつない晴天に、祖父が亡くなりましたんですよ。


いきなり暗い悲しい感じするでしょう。

けど、93歳!!

ずーーーーっと介護をしていた母は、祖父の眠る部屋の床の間に
「寿」の字が入った扇子をかけました。
正に天晴。

長年の趣味で、南米の方に行ってまで採っていた蝶を始めとした昆虫の標本を、全部写真に撮り、印刷してファイリングされていて、それを棺に納めて欲しいと言い残したのですが、

葬儀屋さんはお骨が黒くなるから10枚に絞ってくれと言う。
黒くなっても骨は骨だと押し切って全て入れたら、全身を小さな標本箱が埋め尽くす様な見てくれになった。

なんて素敵な昆虫少年のお棺だろうかと思った。

葬儀屋さんから祖母に「最後にお世話になった気持ちを込めて花束を………」と、厳かに手渡され、
「誰が世話になったって……!?世話したの間違いじゃない!」と叫びながら、
花をほっぽり入れた。
母に「あんたこんな時まで!家出てしてて世話なんかしてないだろうが……!!!」と怒られた。
そこいらじゅう大笑いであった。
しかし、その後は他の参列が座り切るまで、立ち続けた。
私の愛してやまない齢88の根性のネジ曲がったクソババアの気丈さに私は泣けてきたのである。
「きみこ………!いい加減にしないか……!」と、祖母がどうしようも無くグズると祖父はよく嗜めた。
元々、祖父母は連れ子同士で兄妹だった。
そんな夫というより兄の様な祖父の声が頭に響く、なんとも我が家らしい納棺であった。



母方は真言宗の家系である。
私は禅宗の修行者である。

そして、真言宗はおっとりとうっとりとお経を読む。
禅宗が使う唐の響きと違い、呉の響きは雅だ。

導師の計らいであるか、般若心経は真言宗のお坊さんと、私を含む兄と弟の禅僧、総勢5名の大転読となった。





という様な文章を、纏めて書く事で供養に変えさせて頂きたく思います。




さて、そんなわけで、天晴とはいえ、バタバタしたのでクラブにもお気遣いいただきまして、心から感謝しています。


数日間、気持ちがそちらに向いていたので、女王様としては何書けば良いのかな………と思っていたのですが、何も無理に女王様というより、
円香さんとしての文章でも良いかと思いました。
一度書いてしまえばもう書かないですからね。

気持ちの整理というのは、そういう事なのでは無いかと思います。

皆さんも、人ならそういう経験は必ずしますよね。
私なりの供養を見せる事だって、もしかしたら何処かで少しは意味がある気がします。

まあ、この文章を読んでSMをしたくなる人は居ないでしょうが笑

私は棺に鞭と経本を入れてもらえる生き方をしたいですねぇ

プレイしたM男さん達や、知り合った女王様達はお気に入りのSM道具なんて持っては行けないでしょうから。
私はその人達の想いも連れて荼毘に伏すんだ…………

夢がある話だと、私は思っちゃうのよね笑


ここ一年程、靴作りを習っていますので、納棺用の金属無しのハイヒールも作っておきたいものです。

人間は死ぬ支度をしながら、生きていると言うことを思い出さされる。

人は死にます。
それは当たり前の事なので、自分が何をして生きるか、誰に想いを託すのか。


私は皆さんのSM欲を、一緒に供養しますよ!!
(とんでもないことを言い出した。)

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